穴石の小言
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2018/10/26
ごきげんよう。
あれだけ、暑い、暑いと言っていたのに
もう肌寒くなってきましたね。
私の名前は
穴石です。
え?写真のどれって?
ここですよ。
鉄の板(受け板) 埋まっている、
赤い小さい者です。
そうです。似てるのが何個もあります。
これみんな兄弟です。
私の正体は
人口ルビーです。なぜ、人口ルビーが時計の中にいるのかは
これからご説明しますね。時計の動きを伝達します歯車達。
私は、この歯車の軸の先端にある、もっと細くなっている部分(ホゾ)を
受け止めています。
わかりやすく言いますと、軸受けです。
歯車は常に高速回転しています。
その摩擦や衝撃が鉄の軸受けでは耐えられないので、
耐える為に私達(人口ルビー)がいます。
【傷付きにくく割れにくい。摩耗に耐えれる。
そして、安価。】そんな条件には私達がもってこいだったのです。
写真の右下にいる石は穴が開いていません。
この方は従兄の『受け石』です。時計の心臓部分のテンプの軸(天真)を私の兄弟(写真右中、金色部品)と共に受け止めています。
はい?
「時計の中に沢山いて、いったい何人兄弟なんだ??」
っていうご質問ですか?
しっかり自己主張してますよ。
機械式時計の文字盤に
『19JEWELS』とか書いてますよね?
この時計の中に私達が19人いますよ。ってことです。
紹介した受け石も、アンクルの爪石も含みます。今度時計を見るときに、『○○JEWELS』って書いてあるか
見てくださいね。今日はお話が長くなりましたねー。
はい?
今回はオチは無いのかって?
申し訳ございません。お恥ずかしながら。
わたくしは、石だけに
頭が固いようです。